世界の金融の歴史辞典主に現代史(1945年以降)に絞った、各国の金融・経済の歴史年表サイト
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イギリスの金融の歴史

イギリスはご存知のように産業革命発祥の地です。1666年にはロンドンで金の先物市場が設立するなど、金融についても最先端を行っており、19世紀には世界の覇権を握る国家でした。しかし第二次大戦後は、充実した社会保障制度(所謂「大きな政府」)にあぐらをかき、国家レベルで堕落していき「英国病」と言われるほどの経済停滞を招きます。そして1976年には、遂に政府が財政破綻し、IMFから融資を受ける羽目に陥りました。この屈辱を経て、その後「鉄の女」マーガレット・サッチャー首相による新自由主義政策(小さな政府への変更)が断行され、イギリス経済は活力を取り戻し始めました。

年月 分類 事柄
1946年 金融 イングランド銀行が国有化される
イングランド銀行とは現在のイギリスの中央銀行で、設立は1694年。
1947年 政治・外交 インドとパキスタンがイギリスから分離独立。
1948年 その他 ロンドン五輪が開催。
1960年 経済 北海油田の開発を開始
エネルギーに乏しかったイギリス経済を一変させる。
1968年 金融 英国4大銀行の一つ、NatWest銀行が設立。
1976年12月 金融 財政破綻〜IMFからの融資を受ける
戦後の長期に渡る堕落から「英国病」と揶揄されるほどの経済が停滞。オイルショックによる高インフレが追い打ちを掛け、国家が財政破綻。先進国としては前代未聞の、IMFからの融資を受ける羽目に陥った。
1979年5月 政治・外交 サッチャーが初の女性首相となる
財政破綻=英国病からの脱却を図る。世界の新自由主義化の先駆け。
1981年 金融 世界で最初の物価連動債が発行される。
1982年3月 政治・外交 フォークランド紛争が勃発
フォークランドの領有権を巡り、アルゼンチンと戦争。
1983年12月末 金融 平均株価=FTSE100指数の算出基準日
1991年 金融 英国4大銀行の一つ、HSBCホールディングズが上場
前身は1865年設立の香港上海銀行。
1992年9月 金融 イギリスがユーロ参加を断念
当初から英国内で反対意見も根強かったが、ジョージ・ソロスによる英ポンド売りにイングランド銀行が絶えられなかった事が追い打ちを掛ける。
1992年10月 金融 インフレターゲット政策を導入
1995年 金融 英国4大銀行の一つ、ロイズTSBが設立
前身は1765年設立のロイズ銀行。
1997年 政治・外交 香港を中国に返還
1998年6月 金融 改正イングランド銀行法が施行
中央銀行としての独立性が高まる内容。
1999年12月末 金融 FTSE100指数が史上最高値を記録
ITバブルに乗り、6950ポイントを記録。2013年現在も未更新。
2002年 金融 格付け機関フィッチ・レーティングスが設立
前身のフィッチパブリッシングは1913年設立。
2006年2月 日本関連 日英新租税条約が締結
2007年3月 その他 ロンドンで同時爆破テロが起きる
2008年2月 金融 ノーザンロック銀行を一時国有化
2008年6月 日本関連 東証に重複上場していたバークレイズが上場廃止
バークレイズは1690年設立の英国4大銀行の最古参。
2008年9月 金融 住宅金融機関B&Bを国有化
ブラッドフォード・アンド・ビングレー
2008年11月 金融 バークレイズ銀行へ中東のアブダビが出資。
2012年7月 その他 ロンドンで2度目の五輪が開催。
2012年6月 金融 LIBORの不正問題が発覚
LIBOR(ロンドンの国際金融取引の基準金利)がバークレイズ銀行などによって不正操作されていた問題が発覚。
2016年7月 政治・外交 EU離脱の国民投票が可決
市場予想に反した結果を受けて、英ポンドは大暴落

イギリスの現代金融史で、1976年の財政破綻=IMF融資と並ぶ大事が、もう一つあります。それは1992年に、欧州統一通貨=ユーロへの参加を断念したことです。

イギリス国内では反対意見も多かったものの、当初はユーロへの参加を計画していました。しかし、前段階でドイツ・マルクと1ポンド=2.95マルクの固定レートを保つ必要があった為、ポンドが割高な水準に達していました。それに目を付けたヘッジファンドの雄=ジョージ・ソロスは、1992年9月16日に推計100億ドル相当のポンド売りを敢行します。英国の中央銀行であるイングランド銀行は、防衛策を講じるもわずか1日で降参、ポンドとの固定レートを破棄〜つまりユーロ参加断念を表明しました。

国の中央銀行が、一介のヘッジファンドに屈したという事実は、ジョージ・ソロスの名声を世界中に知らしめると共に、イギリスの国力の無さを露呈させ「大恥」をかく事になりました。その後、イギリスは銀行を中心とした金融立国として、それなりに経済を繁栄させています。しかしIMF事件、ソロス事件の顛末を見れば、イギリスが再度、世界に恥をさらす失態を晒す事になっても、不思議では無いでしょう。2012年に発覚したLIBORの不正事件も、イギリスの醜態が凝縮された問題といえるでしょう。

2016年7月には、市場予想に反して「EU離脱」の国民投票が可決されました。貿易も金融もEU圏との間でコスト増となる事が予想され、英ポンドや平均株価=FTSE100指数は大暴落しました。明らかに国益に反する決定だということで、英国経済の終わりの始まりだと言われ始めています。

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