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スイスの金融の歴史

スイスと言えば「永世中立国」のイメージが強いですが、世界有数の金融立国でもあります。また、リーマンショックやギリシャ危機など、金融不安が勃発すると、通貨=スイスフランに買いが集まるという傾向もあります。この理由は、スイスの政治経済が安定しているための安全通貨という意味と、フランが低金利である為に「キャリートレード」の資金調達元として使われるからです(日本円と同じ傾向)。2011年には無制限の為替介入を発表するも、その後もフランに買いが集まり、2012年末には長期金利が世界史上最低(0.36%)に達しました。

※追記;2014年12月にはマイナスの政策金利を導入し、2015年1月には長期金利(10年債の利回り)がマイナスになりました。共に人類史上初の記録です!

年月 分類 事柄
1815年 政治・外交 永世中立国として欧州各国から認証される
1848年 政治・外交 現在のスイス連邦が設立
1850年 金融 通貨スイスフランが制定
1864年 日本関連 日本と友好条約が結ばれる
1907年 金融 中央銀行=スイス国立銀行が設立
1920年 政治・外交 国際連盟に加入
1938年に脱退、以降は2002年まで国際連合にも加盟せず。
1948年 その他 WHO(世界保健機関)がジュネーブに本部を設立
1988年6月 金融 平均株価=SMI指数の算出基準日
1996年3月 金融 世界初のスイス株ETFが米国に上場(MSCIスイスインデックス【EWL】)
1997年7月 日本関連 長銀とスイス銀行が業務提携
日本長期信用金庫の経営安定に、スイス銀行(現UBS)が協力。
1998年6月 日本関連 スイス銀行が長銀との業務提携を破棄
空売りするなどして、長銀破綻の原因の一つとなった。
2002年9月 政治・外交 国際連合に加盟
非加盟を貫いてきたが、国民投票により加盟が決定した。
2008年9月 金融 米国でリーマンショック勃発
スイスの金融機関にも大きな損害が及び始める
2008年10月 金融 UBSに公的資金60億フランが投入
スイス最大・世界でも屈指の巨大金融機関をスイス政府が救済
2008年10月 金融 クレディスイスが中東に救済受ける
カタール政府系ファンドが100億フランの増資を引き受ける。
2009年3月 金融 スイス政府が秘密銀行口座の制度改革を発表
G20への加盟を睨み、タックスヘイブン政策の見直しを検討し始める。
2011年8月 金融 スイス国債の利回り(長期金利)が1%を割り込む
世界でも日本に次いで2カ国目。
2011年8月 金融 スイスフランが史上最高値を更新
8月10日に対ユーロ・対米ドル共にフラン高の記録を更新。
2011年9月 金融 スイス国立銀行が無制限の為替介入を発表
ギリシャ危機を発端とするユーロ安=フラン高相場に対する処置。
2011年12月 日本関連 日本との租税条約が改定
配当・利子・使用料などの税金が大幅に減税された。
2012年12月 金融 UBSがLIBORの不正操作に関わっていた事を認める
米国・英国・スイス当局に計15億ドルの罰金を支払う。
2012年12月 金融 10日に長期金利が世界の史上最低値0.36%を記録
2013年には日本が0.315%で最低記録を更新する。
2013年1月 金融 スイス最古のプライベートバンク=ヴェゲリンが業務閉鎖を発表
世界からの圧力で、プライベートバンクの伝統的な守秘義務が崩れ始める
2013年2月 政治・外交 G20にスイスが初参加
これまでは金融の守秘義務(=マネーロンダリングを助長している)から参加を拒まれていた。
2014年12月 金融 人類史上初の政策金利マイナスを導入
金利幅はマイナス0.75%〜プラス0.25%
2015年1月 金融 対ユーロの無制限為替介入の破棄を発表
突然の発表で、フランの為替レートは各国の通貨に対し、数分の間に50%前後も急騰!為替市場が大パニックに陥る
2015年1月 金融 スイスの長期金利がマイナスになる
人類史上初めて、長期金利(10年物国債の利回り)がマイナスを記録する

日本との関係で言うと、何と言っても1998年の日本長期信用金庫の破綻に、スイス銀行(現在のUBSグループ)が嚼んでいたことが挙げられます。そもそもの原因は98年に成立した「金融危機安定化措置法」による不良債権の厳格化ですが、それを聞いたスイス銀行は長銀との業務提携を破棄し、長銀株を大量に空売りしました。このスイス銀行の行動が、長銀の破綻を加速させた一員であることは、動かしようのない事実です。

そんなスイスの金融機関も、リーマンショック後には財務が悪化し、カタールなど中東の政府系ファンドから出資を受ける事態に陥っています。また、ギリシャ危機の影響からスイスフランが独歩高に陥る事態を受け、政府が無制限に為替介入を行う羽目に至っています。2012年には、UBSはLIBORの不正操作に関わっていた事を認め、15億ドルの罰金を支払っています。金融立国=スイスは、崩壊の危機に面しています。

そして、スイスのお家芸であったプライベートバンク事業も、世界的な圧力により下火になっています。「世界最大のタックスヘイブン」という汚名を返上すべく、国際的な金融の透明化(マネーロンダリングの撲滅)を誓う事と引き替えに、2013年からはG20への参加が認証されました。

◆関連サイト;スイスの長期金利推移グラフ(海外投資データバンク)最新のチャートなど。

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