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リーマンショックの原因

リーマンショックとは、2008年9月15日に米国の投資銀行=リーマンブラザーズ証券が倒産したことと、それを機に世界経済が大きく減速した事象の総称です(※注1)。リーマンショックに関する一連の経済の混乱は、世界の金融史上でも有数の大事件でした。

このリーマンショックの原因となったのは、アメリカの不動産バブルでした。米国では2000年代に入り、不動産価格の上昇が続いていた事に加え、サブプライムローンという仕組みが生まれた事で、バブルに拍車を掛けていました。サブプライムローンを利用すれば、月収20万円未満の低所得者層でも、庭付きの豪勢な一戸建て住宅を買えるという、異様な自体を招いていました。

lehman building
lehman building / Hard Seat Sleeper

しかし2006年頃より、サブプライムローンの焦げ付き(返済不能)が増え出し、状況が一変します。サブプライムローンは最初の数年程度は低金利で、その後急激に金利が上昇するという契約が多かった事が、返済不能者が急増した原因です。

そして2007年後半より、米国では不動産関連に融資していた金融機関に、経営危機が相次ぎます。ファニーメイやフレディマックといった、政府系の大手住宅金融2社も経営危機に陥りましたが、アメリカ政府が公的資金の注入を行う事で、何とか倒産を間逃れます。シティバンクやメリルリンチといった大手民間金融機関も、莫大な損失を生じさせましたが、合併やリストラなどで危機を乗り切ります。

ところがリーマンブラザーズ証券だけは、経営危機を乗り切る術を持っていませんでした。2008年9月14日、リーマンブラザーズを買収すると見られていたバンクオブアメリカが、リーマンではなくメリルリンチを救済合併すると発表した事で、最後の望みが絶たれました。翌15日、リーマンブラザーズはチャプター11(破産法の適用)を申請し、倒産することになります。

AIGも倒産するのでは?という思惑が、危機を招いた真の原因

Lehman Brothers Collapse
Lehman Brothers Collapse / pdstahl

実はリーマンブラザーズが倒産しても、原理的には世界経済にはほとんど影響を及ぼさないはずでした。彼らは投資銀行という、いかがわしい金融手法で金儲けをする集団(※注2)に過ぎず、通常の銀行や証券会社のように国民に影響を及ぼしたりはしません。リーマンブラザーズに公的資金が注入されなった理由は、彼らが潰れても何の影響も無い存在だと、米国政府が見ていた為です。それどころか、莫大な金儲けをしていた金融機関に対して、国民の反発が強まっていたので、リーマンは一種の「見せしめ」として見殺しにされたと言っても、過言ではありません。

しかし金融マーケットは、リーマンだけの問題では無いと感じていたのです。特に、同じく経営危機にあった保険会社のAIGが、極めて危険な存在だったのです。AIGは「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」という、企業の倒産保険を大量に扱う金融機関だでした。AIGが倒産すれば、それらの保険も全てパーになるため、多くの企業がいきなりリスクヘッジの手段を失うことになります。リーマンが潰れた事でAIGも連鎖倒産するのでは?、そして多くの企業が保険を失って連鎖倒産が激増するのでは?、との連想が働いた事で金融市場がパニックに陥り、ニューヨーク市場の株価は大暴落したのです。

これが、リーマンショックの真の原因です。リーマンブラザーズ証券が潰れる事自体は、さほど大きな問題ではなく、AIGが倒産するかも知れないという思惑こそが、世界的な金融危機へと発展した原因だったのです。それが証拠に、大暴落が起きた翌日の16日、米国政府はAIGへ850億ドル(約8兆円)もの公的資金注入を決定します。AIGが倒産すればどれほどのパニックが起こるのか、政府も気付いたのでしょう。

◆関連サイト;サブプライム問題解体新書〜問題が起きるまでの年表や、仕組みの図説など。

※注1;日本ではこの金融危機を「リーマンショック」と読んでいますが、世界的にはこのような言い方はされていません⇒リーマンショックの嘘(海外投資データバンク)。
※注2;いかがわしい商品の典型が、サブプライムローンでした。リーマンブラザーズは、自分が作った詐欺商品によって、自ら破滅したのです。ちなみに、ライブドアのホリエモンが日本放送を買収しに行った時、彼らに資金提供したのがリーマンブラザーズ証券でした。このような敵対的M&Aの資金提供も、投資銀行のいかがわしいビジネスの一つです。

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